だけどあの時はドキッとした笑顔も、今はズキッとくるものがあった。


「この問題はまずこのXを………」


「そ、そうなんだ………」


現在、私と冴城君は2回目の勉強会の真っ最中。


場所はまた図書室で、今日は他にも2~3人生徒が残っていた。


「―――で、これで解けると思うんだけど………どうだ?」


冴城君の教え方は昨日同様丁寧で分かりやすくって、これなら家庭教師とかでも出来そうな程。


だけど冴城君が丁寧に数学を教えてくれる度に、申し訳なさも募る。


「すみません、問2も4も、わざと間違えました……」