「あのさ」

「ん?何?」

ふと児玉くんに声をかけられて返事をすると、

「前も同じようなこと言ったけど、各務さんが付き合ってよかったと思えるようにするからね」

と、極上の笑顔で言われた。

「……ヒロみたいには気が利かないのが残念だけど」

そう苦笑いする児玉くん。

「いやいや!充分だから!私こそ、がんばるよ!付き合ったことないし、どうしたらいいかわかんないことも多いと思うけど……」

私が慌ててそう言うと、児玉くんは握った手に力を入れる。


そして、

「…各務さんはそのままがいいよ」

と言ったあと、急に耳元に近づき、

「俺だけしか知らない、各務さんをいっぱい見せてもらうから」

何故か妙に色気のあるトーンで囁かれた……。