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「というわけなんだよ。ちょっと、ストーカー気味?」
児玉くんがちょっと照れくさそうに笑った。
「ストーカーってそんなあほな」
私もつられて笑う。
けど知らなかった。
そんな事があったなんて。
確かに、そんな出来事が嶋井さんがいた施設であった気がする。
そのときに児玉くんに会ってたなんて、正直今でも思い出せなかった。
「今思うと、ずいぶん偉そうなこと、私言ってたんだね」
自分で恥ずかしくなった。
「エラそうじゃないよ、俺にとっては、思いがけない考え方をさせてくれるきっかけになったいい出来事だったよ」
と笑う。そして、
「それと」
と言葉を続ける。
「2年で同じクラスになるまで、何回か各務さんを見る機会があったけど、そこまで接する機会が無かったから、北条さんのときの出来事は、各務さんを知るいい機会だと思った」
途端に、児玉くんの声が真剣なものになる。
「いろんなところから耳に入ったり、各務さんの様子を見ていたら本当に明るい子だなって思ってた。女子扱いされてないって言ってたけど、各務さんが気付いていないだけでひそかに各務さんを気に入っているやつがいることも知ってた。別に俺のってわけじゃないんだけど、なんとなくわけのわからない独占欲が出ちゃって。北条さんのことがあったときに、思わずあんな提案してしまったんだ」
