ニセモノ×初恋=??

ヒロは思いのほかその話に食いついてくる。

「樹がそんなに印象に残るオンナノコって気になるわ―」

そんな邪なものが混じったようなセリフを言うもんだから、こいつには絶対名前を教えるのはやめようと心に誓った。


俺だって、正式に名前を知っているわけではない。

キーワードは、「かがみん」と「さな」。

ヒロに言えば、いろんなツテを使って、それを調べられるだけの人脈があると思う。


だが、余計な詮索はされたくなかったので、

「名前とかあだ名とかわかんねーの?」

と聞かれたときも、

「わからん」

で済ませた。



それからもなんとなく、そのことは心に残っていて。



いつかその子に会ったとしても、『七光り』なんて言わせない、という訳の変わらない闘争心に火がついていた。



そして。

「さなー、そっちー!」

「はいよー!!」

そんな声が、高校に入ってからの他のクラスとの合同体育の時に聞こえて。


勢いよく、その方をみると。

「せいっ!!」

バレーのコートで思いっきりアタックをする女子がいた。

勢いのあるボールが相手コートの床に叩きつけられる。

「かがみん、さっすがー!!」

と言いながら、アタックを打った女子に集まり、ハイタッチをしている。


その光景を思わず凝視してしまう。

よく見ると。

確かに、あの笑顔は前にあったときのあの子で。


まさか、同じ高校に進学するとは思っていなかったから、とても驚いてしまった。