俺自身、さっきの言葉に少し引っかかるところがあった。
『七光り』
その言葉が、俺にも当てはまるきがして。
父親が医者で、病院や施設を経営しているから、俺も自然とそれを継ぐ思って今まで過ごしていた。
もちろん、そのぶん勉強もしないといけないし、医師免許をとらなければならないから、それ相応の努力はするつもりだ。
ただ、もしそうなったからと言って、今父親がしているように経営を含めたいろんなことをしていけるようになるほどの力が付くのか。
俺以外にも適任者がいるのに、父親の血を引いているというそれだけで継いでいくつもりでいると、だめになってしまう。
それに気付かされた。
同じ年の中学生の女子の言葉なのに、なぜかこんなに印象深くて。
こんなことを考えさせられるほどに、さっきの言葉は俺の心に残った。
それから数日たってもそれを思い出す。その度、
「樹、へんな顔してるよ」
ヒロからそう突っ込まれることもしばしば。
最初は
「別に」
と言ってごまかしていたが、あまりに何回もあるせいかヒロからの追及があり、なんとなくその出来事を話してしまった。
