「でも、やっぱり児玉くんが私にベタぼれ、ってのが無理がある気がするんだけどな…」

『そう？俺は全然変じゃないと思うけど』

そもそもやっぱり、私が彼女役というのが変だと思うが。

『それにさ。各務さんから、って思われると、各務さんが好きな人ができたとき困るでしょ。
俺がしつこくて断れなくて付き合ってた、の方がまだマシだと思うよ』

一応、私のことまできちんと考えてくれた上での発言だったみたい。

「ありがとう…」

お礼を言うと。

『こちらこそ。めんどくさいことお願いしてごめん。
友達にも、俺から前月くらいから言われてて、最近付き合うようになったとでも言っててよ』

「うん、わかった」

そう返事をしたあと、もうひとつ大事なことを忘れていた。