予約の列に並んでるのはカップルばかりで、まわりから見たら男女の組み合わせの自分もそう見られてるのかと変に意識してしまう。

児玉くんは涼しい顔をしているし、深い意味はなくてただこれを見てみたかっただけかもしれないけど…。




やがて、いま普通に乗っている人達が降りて、予約の人達が乗る順番が来た。

観覧車の順番も予約があり、頂上付近が一番人気だ。



私達の順番になり、観覧車に乗り込む。

「あ、涼しい」

観覧車の中は意外なことに空調が効いており、涼しかった。

「中、暑いんだと思ってた」

「暑いと、この時期はショーを見るのはキツイだろうしね」

「それもそうだね」

と言いながら、向かい合わせで腰かけた。


ゆっくりと観覧車は上昇していく。

さっきまで楽しんでいたいろんなアトラクションが見える。

「キレー……」

外は暗くなっているから、パーク内のライトアップがとても綺麗だったので、思わず呟く。

そんな私の呟きに、

「そうだね」

児玉くんが応えてくれた。

「児玉くんもこの時間は初めて?」

そう尋ねると、

「うん」

と返事をした。

それが何だか嬉しかった。