「あー、乗りまくったねぇ」

「意外と空いてたから、たくさん乗れたしね」


児玉くんとアトラクションに乗りまくって、十分に堪能した私はすごく満足だった。

「さて、今度はどうするの?」

閉園時間までに、あともうひとつくらいは乗れそうだ。

すると児玉くんは時計を見て、

「最後は、こっち」

そう言って、私の手を引いた。

向かった先は、ここの自慢の観覧車。

さっき、乗るかどうするか話したときは乗らないと言ってたのに。

「実は、この時間からの予約を入れてるんだ」

ここの観覧車は、1周約15分。

その半分が、夜のプロジェクションマッピングなどのショーと花火がある時間だけ、予約となる。

その理由は、ちょうとショーをする時間にこれに乗ると、予約してる部分が半分より上に来ると、一時的に止まる仕組みになっていて、とてもいい位置から花火とかが見れるのだ。

予約が多いからなかなかとるの大変だと聞いたことがある。


「予約、出来たの?」

びっくりして尋ねると、児玉くんは頷いた。

「だから、さっきはまだ乗りたくなかったんだ、驚かせたかったから」


そう言って、予約の列に並んだ。