ニセモノ×初恋=??

「こっちへいらっしゃい」

私と児玉くんを近くのカフェスペースに案内してくれた。

「うわー、ここ食堂ホールですか?おしゃれー!」

ホントに普通のカフェみたいな造りのスペース。

食堂ホールというのがまるで似合わない。

「ここはお茶とかもできるところで、入居者同士とか、面会の人が来たときにも使えるところだよ。食事もできるけど、またあっちのほうに食事するところもあるんだよ」

児玉くんが説明してくれた。

「へぇ~」

「夜はね、お酒も出してくれるバーみたいになるの」

「お酒まで?おしゃれというか、老人ホームって感じがしない……」

「でしょ。俺も最初そう思った」

と言って、二つ椅子をひきながら、

「ハナさん、どうぞ。各務さんも座って」

私と嶋井さんに座るように声かけして、

「飲み物もらってくるよ」

とカウンターに向かった。

私と嶋井さんは素直に座り、

「お久しぶりです」

「こちらこそ。職場見学に来たとき以来ですね」

お互いに挨拶をした。

私が他の施設に職場見学に行ったときに、そこの施設にいたのが嶋井ハナさんだった。

とても優しくて、いろいろ話もしてくれて楽しかったのを覚えている。

「あのときよりも凄く歩き方も元気になりましたね~」

私が言うと、

「先生とリハビリのおかげなんですよ」

嶋井さんは嬉しそうだった。