ニセモノ×初恋=??

周りをみつつ、たわいもない話をしながらすすんでいると、

「あそこだよ」

指を指された方を見てみると、ちょっとおしゃれな外観の建物がある。

民家ではなく、アパートというかマンションというか。

「何の建物?」

私がたずねると、

「介護付きの老人ホームだよ」

そう言って、入口から入った。

「こんにちは~」

「あら樹さん、こんにちは。予定より早かったですね」

入口横の事務室にいた女性が返事をしてくれた。

私も目があったので、

「こんにちは」

と一礼すると、女性も挨拶を返してくれる。

「ハナさんのとこにお邪魔しますね」

来客用のスリッパを二人分準備してくれた女性にそういうと、靴から履き替える。

「はい、どうぞ。お昼ご飯も終わって、楽しみにしてましたよ」

「各務さん、行こうか」

児玉くんに促されて、あとをついていった。

建物の中もお洒落で、老人ホームという感じより、品のあるホテルみたいな作りだ。

ゴテゴテと飾ってるわけではなく、洋風でもあるけど、和風も取り入れた雰囲気。

「凄いキレイなところだね」

「でしょ」

と言いながらすすんでいると、

「樹さん!」

声をかけられた。

そちらを見てみると、

「あれ?嶋井さん?」

思わず私の口から名前が出る。

それを聞いて、私の方を見た女性は、

「あら、あらら!沙菜ちゃん!」

嬉しそうに駆け寄ってきてくれた。

「やっぱり!嶋井さんだぁ!」

思いがけない再会に嬉しくなる。