私も何回か一緒にまわったことあるけど、女の子女の子した二人の買い物についていけないことがあり、それを察した二人は無理には誘わなくなった。

それでもときどきは一緒に遊んだりはするけど。


「沙菜はどうしたの?」

美波ちゃんが聞いてきたので、

「待ち合わせまでちょっと本でも見ようかなって」

と答える。

「待ち合わせ?」

「まさか児玉くんと?」

ニヤニヤ顔で聞いてくる菜緒ちゃん。

だが。

「うん。よくわかったね」

私が答えると、そのニヤニヤ顔が固まる。



「…児玉くんと?」

確認してくる美波ちゃん。

「うん」

「………………」

「………………」



二人は顔を見合わせると、


「えぇ!?何それ!」

「マジで!?マジで!?」


一瞬にして詰め寄ってきた。


あまりの勢いに、

「う、うん。変かな?」

しどろもどろになる。


「何それ、何でそんなことになってんの!?」

「何でって……約束したから……」

「てか、何そのカッコ!」


菜緒ちゃんが私の服装を見て目をつり上げる。

「え?変?」

思わず自分の服を見直す。

裾にレースが付いたサマーパーカーにデニムのサブリナパンツ、ビルケンのサンダル。

自分が持ってるなかでも一番女の子らしく、そして動きやすいのをチョイスしてきたつもりだ。