「え?」

「いろいろと、話したいことがあるんだ」


児玉くんの表情は凄く真剣で。


「うん、わかった。私も話したいし」


「よかった。あ、各務さんの家、門限厳しい?」


「事前に話せば大丈夫だよ」


私の返事に、安心したように児玉くんは笑った。



児玉くんと話せる関係がまた戻ってくるなんて。


ニセモノの彼女をやめてから、ほとんど関わりがなくなって。


どう接したらいいかわからなくて、友達ですらなくなったようになってしまって。


こんなにも嬉しく思うのは、やっぱり、児玉くんのことが好きだから何だろうな。


「……っ………」


そう思った途端、手を繋がれていることが恥ずかしくなってきた。


繋がれている手から、自分の気持ちが伝わりそうな気がして。


好きという自覚したら、気持ちがどんどんほどけていく感覚がした。


「う、うわぁぁ!」


慌てて手を離す私。

「どうしたの?」

私の行動に児玉くんがびっくりして。



「あ…ごめん、手汗かいたかもっと思って……」

と誤魔化したのだった……。