思わずバッ、と耳を押さえる私。

そんな私の行動を見て、ニッと笑う児玉くんの顔がキレイなのが何だか悔しかった。


―――この、無駄にイケメンめ!!

軽く心の中で毒づいてみたあと、


「勘違いって?」


と聞いてみると。



児玉くんは優しい顔をしたあと、ぽんぽん、と頭を撫でる。



―――何だか、ナチュラルに触れる回数増えてないか?………嫌なわけじゃないけどさ。



そして。


「各務さん。来週、何か予定入ってる?」

と聞いてくる。

「来週?」

「うん。できれば、火曜日」

来週はまだ夏休み中で、学校はない。

予定らしい予定は今のところもなく。

「…大丈夫だけど…どうしたの?」

私がそう言うと、

「その日、俺と会ってくれないかな?」

と、児玉くんが言ったのだった。