…………………。




…………………。





……………へ?




――――私が、児玉くんを好き………?



…………………。




「えぇっ!?」




思わぬことを言われ、急に意識してしまう。



―――私が、児玉くんを………?



顔が熱い気がした。

きっと、顔、赤くなってる。



田神くんに言われて。



私がこんなに悲しい気持ちになったり、感情がコントロールできないのは。



………私が、児玉くんの事を好きだからってこと……?



二階堂さんとのことも、ニセモノだから気にする必要ないのに、かなりショックを受けてしまったのも、ヤキモチ……?




しかも、まわりから見ても、私が児玉くんを好きというのを感じるというか、バレてるってこと……?



「うわ…………」



そう、意識しちゃうと、今までのこともなんとなく、理解ができて。




児玉くんと過ごして楽しかったり、必要以上に接していた甘い時間が嫌じゃなくて、ドキドキしたのも。


児玉くんのことを知らないということが思った以上にショックだったのも。


二階堂さんとのこともショックだったのも。




「……好き、だったからなんだ……」

そう気付いてしまったら、余計に気持ちが溢れて。



でも。




初恋だと気付いた途端に、失恋なんだということも思い出した。


だって、二階堂さんがいるから。



なのに。



―――「俺のこと、好きになってよ」

―――「俺は、各務さんのこと、かわいいと思うよ」

―――「俺、各務さんと本当の恋愛がしたい」



児玉くんの言葉がグルグル回って。




「………うっ……く………ふぅ……」


また、涙が溢れてきた。