ニセモノ×初恋=??




次の日。


「……沙菜、寝不足?」

「あー、うん、まぁ……」

「やっぱり。何かすんごい顔してるよ?」

「そう?あははは……はぅ…」


一緒に登校している美波ちゃんの言葉に、あくびを噛み殺しながら答えた。




結局昨日あとあと。

可愛い女子高生を抱き留めた優しい児玉くんの表情をみてしまって。

直後に閉まった電車のドアを隔てていたけど、顔をあげた児玉くんと目が合った。

そこで普通に手を振ればよかったのに、不自然に目をそらしてしまって。

自己嫌悪に陥るはめになった。


―――薫、って呼んでるのが聞こえた……。

抱き留めたときも嬉しそうだった。

もんのすごい、可愛い女子高生だったし。

美男美女でビックリするくらい、お似合いだった。



そう考え出したら、児玉くんが電車から降りたあと、家まで帰ってくる間の記憶が曖昧なくらい、考え込んでしまっていた。



―――なんか、モヤモヤがとれない……。


モヤモヤなのか。ショックというのか。

そんな気持ちになってしまっていて。


―――何で、ショック受けるんだろ…。


そんな気持ちになってしまう自分に気付いて、ニセモノの関係だからショック受けるような身分じゃないのに、と気付いてしまい、さらに落ち込んだ。