ニセモノ×初恋=??

その次の日。


「児玉く―ん」

「……………」

「児玉くんってばー」

「……………」

「ねーねー」


私の呼びかけを無視して、本の整理をしてる児玉くん。


「何いじけてんのー?」


大声で言うわけにはいかないので、児玉くんに顔を近付けて、話しかける。



すると。



「……昨日、ヒロトと帰ったでしょ」


とようやく口を開いた。

「うん、断ったんだけど、田神くんも他の女子をわざわざ断ってまでだったから」

無下に断れなかったことを説明すると。

「……何か言ってた?」

なぜか、視線を反らしている。

「ん~?日曜日楽しかったかって…」

そこまで言いかけると、

「!!」

バッ!と児玉くんが私の方を見たあと、口元を手のひらで隠した。

「………それだけ?」

他のことといえば、児玉くんとの付き合いについてだった気がするが、そのへんは本人を前に言うことではない気がして。

「うん。あとはたわいもない話」

と答える。

すると、どこかホッとしたような顔をしたあと、

「ごめん……ちょっといじけてみた…」

と言ったので、

「うん、わかってるよ。私に対するぷちストライキだったんでしょ」

と笑った。

「ぷちストライキって」

児玉くんも笑ってくれたのでホッとする。

「今日は、一緒に帰ろう?もう少しで終わるから待ってて」

「うん、そこで本でも読んどく」

図書室の椅子を指差し、そこに向かった。


座って本を読んでいると、真面目に本の整理をする児玉くんの姿が見える。

考えてみたら、この図書室がそもそもの始まりで。

児玉くんの告白現場なんて目撃したばっかりに、こんな関係になって。



変な縁だけど、それなりに楽しんでいる自分がいた。