ニセモノ×初恋=??

―――むしろそう言われると、見てみたい気がするんだけど。

何とか隙をみて顔をあげたいなと思ったけど、できなかった。


「あの…さ」


ふと、児玉くんが話かけてきた。


「うん」

「…各務さんはそんなつもりないんだろうけど、あまり煽らないでよ」

「…へ?煽る?」

児玉くんの言ってる意味がわからない。


「そう。いろんな意味で無防備だ」

―――そんなこと言われましても。

「どう、無防備なの?」

戦うわけでもあるまいし。

「自覚、ないわけ?」

「うん……彼女役をしてるのに緊張感がないってこと?」

―――だとしたら、もしかしたらまずいんだろうか。
最近、周りの目にも慣れた気がしてたけど、実は気が抜けてただけかもしれない。
そんな状態なら、児玉くんに注意されても仕方ないのかも。


ぐるぐる考えていると。


「違う…」

「え?」


いつもより低く感じる児玉くんの声がする。

続けて言われたのは、


「自分が女で、俺が男だってわかってる?」


という、当たり前のことだった。