ニセモノ×初恋=??

「あのさ……」


話しかけようとしたとき。


児玉くんの手が、私の顎にかかる。


「え…」

「美味しいご飯の、お礼」


と言って、私の唇に児玉くんの指が押し付けられた。

「んっ…?」

指を軽く押し込まれた先にあったものは、ピーチフレーバーのミントタブレット。

押し込まれたものを出すわけにもいかず、そのまま口の中に貰った。

「美味しい?」

イタズラに成功したような無邪気な顔で言うから、素直にコクン、と頷いた。

「これ、私、好きなの」

と言うと、


「知ってるよ」


そう言ってから。



児玉くんは私の目を見ながら、自分の右指にキスをした。



最初は意味がわからなかったんだけど。


直後に私の口の中のミントタブレットをカリッ、とかじった瞬間、

「!!」

ふと、思い出した。


児玉くんがキスをした右手の指は、さっき、私にピーチタブレットを食べさせるために、私の唇に…ちょっとだけ口の中に入ったことを。