そんな私の態度を見て、

「どうしたの?沙菜ちゃん。挙動不審だよ」

こっそり耳打ちしてくる田神くん。

「んなっ!?」

田神くんの声が耳元で聞こえ、思わず耳を押さえて後ずさる。

「あれ?ビックリした?ごめんごめん」

大して悪びれる様子もなく笑いながら謝られる。

「…相変わらずチャラいね、田神くん…」

と仕返しに軽蔑の言葉をぶつけていると。




ぐいっ。




「うひゃっ…」


急に腕をひかれて飛び込んだ先は。



「ヒロト、各務さんに手を出すなって」



機嫌悪そうに田神くんに文句をいう児玉くんの腕のなかで。

よろけた私を児玉くんが受け止めた。