説明しづらいので、とりあえずその場は笑って誤魔化した。

そんな私の行動も怪しかったのか、何か勘ぐってるような視線を送る美波ちゃん。

視線が痛かったが、気付いてないふりをして学校へ向かった。



そこへ、


「沙菜ちゃんに美波ちゃん、今日もかわいーね」


語尾に音符でも付きそうなチャラい口調で声をかけてくる男がいた。



「あ、田神くん、おはよう」


動じることなくさらりと返事をする美波ちゃんにつられてそっちをみると、確かに田神くんがいた。

だが、

「ヒロト、その沙菜ちゃんてのなんだよ」

機嫌の悪そうな視線をおくる児玉くんも横にいた。


「うひっ!!」


予想外の登場に思わず変な声が出る。


「何それ、変な声出したりして」


美波ちゃんが先程以上に怪しむ表情で私を見る。


他の二人もビックリした顔をしていたが、

「各務さん、おはよう」

すぐに児玉くんは優しい顔に戻った。

「あ、う、うん、おはよう!」

少し噛んでしまったが、挨拶を返した。