そしてこのドキドキは一体どういうことなのか。

考えれば考えるほど、よくわからなかった。




――――『俺のこと、嫌い?』




と聞かれると、もちろん嫌いじゃない。





―――『俺のこと、好きになってよ』




そんなこと言われたって、はいわかりました、というわけにはいかない。


何より。



私と児玉くんはニセモノの関係だからこそ成り立ってるわけで。



本当に好きなってしまっても、私と児玉くんじゃ釣り合わない。



なのに、何であんなこと言うのか。



「…………カンベン、してよ……」



呟いてから、枕に顔をうずめた。