「…………………は?」
頭突きしてくると思ったら、井ノ上が変な声を出して固まった。
なぜか両頬を掴んでいた手も放される。
「………頭突き……?」
目を開けると、眉間にシワを寄せた顔をしているのが目に入った。
「わざわざ頭突きなんてやり直さなくていいじゃん!」
私がそう抗議すると、
「待て………お前、あれ、頭突きだと思ってたの……?」
脱力したような声で聞かれた。
「え?違うの?」
思わず聞き返す。
だが、井ノ上はぷるぷると小刻みに震えて黙ってしまった。
――――あれ?なんか間違ってた??
改めて思い返していると、何か言いかけてた気がする。
「ごめん、さっき、何言いかけてたの?」
尋ねてみるが、井ノ上は黙ったまま答えてくれず。
「……今までの会話、頭突きのつもりで話してたのか?……」
絞りだしたような低い声で聞いてくる。
「そうだけど………」
井ノ上の様子に困惑していた私だが。
次の一言で、思いっきり爆弾を投下されるはめになる。
「頭突きなわけねーだろ!!キスしようとしたに決まってるじゃねーか!」
