美波ちゃんが言うのも最もだ。

「それがさ、この前保健室に連れてった子、井ノ上の妹だったみたいで。お礼言われたんだけど、あんまりにも井ノ上が何か紗英ちゃんに言われてないか気にするもんだから、コイツ絶対家で私の悪口言ってるんだと思ったのよ」

そこまで言って、お茶を一口含む。

「へー、あの子妹だったんだねぇ」

「確かに前、妹が入学してきたって言ってたかも。他の男子がかわいいのかとか食いついて聞いてたもん」

「そうなの?私、知らなかったー。けど、そこまで気にするような悪口ってどんなの言ってんの?って気になるでしょ。で、自白しないかなと思ってちょっといじったんだけど、それが気にくわなかったみたい」

「えー、それだけであんなに避ける?」

私の説明に二人は首を傾ける。