次の日。

―――むぅぅぅ………。

「井ノ上と何かあったの?」

「明らかにかがみん、避けられてるよね」

………そうなのだ。

クラスメートが見てわかるくらいあからさまに、井ノ上に避けられていた。

「……何もなかったわけではないけど…」

3時限目の移動教室の際も、ばったりトイレから出てきた井ノ上に会ったのだが、ビキッ!と顔をひきつらせたあと、一緒にいた友達を引き離すスピードで歩いていってしまう。

それがあからさま過ぎて、周りが不審に思うほどであった。

昨日からかいすぎたせいか頭突きを食らいそう(注:自己解釈)になり、しかもそれがずれたのかこっちがキスされると勘違いするはめになったわけで。

思い当たることはそれしかないが、ここまで避けられてると、だんだんムカついてくる。