しばらく湯船でぶくぶくしてみたり、浴槽の縁に頭を乗せて上をぼんやり眺めたりしていたのだが。




ある1つの考えが浮かぶ。






「もしかして、あれ……キスじゃなくて………



…………………頭突きだった……??」




――――だとしたらすんごい自意識過剰の勘違い!!恥ずかしい!!



思い付いた考えに、とたんに恥ずかしくなった。


頭突きしようとしたなら、井ノ上の行動が理解できる。

それがたまたま口の近くに当たってしまっただけってことなら………わからんでもない。

そのかわり、キスされそうになったと勘違いした自分が、凄く恥ずかしくて自己嫌悪に陥った。


――――うわぁぁぁ!ヤバイ、めっちゃ勘違いかも!!


さっきまではキスをされた!と思い、あれこれ考えてモヤモヤしていたが、結局は違う恥ずかしさと自己嫌悪で、お風呂から上がるのが長くなり、心配した母親が様子を見に来る始末であった……。