―――紗英ちゃんが何を言ったかを気にしてるだけで、そんなことする雰囲気なんか全然なかったじゃないか!!


だからこそ、何であんなことになったかわからなくて。


悪口を家で言われるほど、実は嫌われてたのかなんて考えてた。

でもそうじゃなくて、実は井ノ上、私のこと……………?






……………………。







「ないないない!あり得ない!」

自分で考えておきながら、全力でその考えを否定する。


―――井ノ上が私のこと好きなんて、そんなことあるはずない。第一、高校1年から同じクラスだけど、女扱いなんてされたことないし。