「けど、菜緒ってばちゃっかり田神くんとデートの約束してるし」

「え!そうなの?」

まさかそんな事になってるとは思わずビックリする。

「へへっ……やっぱりかっこいーんだもん。沙菜のおかげで話す機会できたからよかったー」

菜緒ちゃんはかなりご機嫌だった。

いきなりデートとかするもんなんだ、と感心してると。

「そーいや、あのあとの井ノ上もなかなかだったよね~」

菜緒ちゃんが美波ちゃんに同意を求める。

「あの顔はさすがに焦ったんでしょ、睨んでたもんね」

「……井ノ上?どうかしたの?」

二人の話がよくわからず尋ねると、

「沙菜と児玉くんがいなくなってから、井ノ上がやっぱ機嫌悪そうだったのよ」

「何で?」

「何でってそりゃ、沙菜が児玉くんと付き合いだしたからでしょ」

菜緒ちゃんがなぜかニヤニヤしながら答えてくれる。