村口を置き去りにして歩いてきたあと、そのまま手を引かれて着いたところは、図書室の保管書庫だった。

そこに着くと、児玉くんは手をひいたまま置いてあった椅子ところに私を座らせる。

「……そろそろ手、いい?」

座りにくかったのもあり、私が尋ねると、

「あ、ごめん」

すんなりと手を離してくれた。

ずっと握られていたせいか、離した後は少し寒いような物足りないような、不思議な感じがする。