〜Side 愛菜〜
別に憧れてたわけでもない。
偶然。
そんな綺麗なものではなくて、
復讐っていうのかな。
汚い汚い汚いもので。
辛くて、涙が伝う震える唇で、
震える両手で台本を握りしめて、
必死に練習する。
『んなわけねぇよ、ばか。うっぜぇんだよ、』
デビューして、必死に努力を
重ねて今は、映画やドラマにも
出演できるようになった。
でもね。
ちっとも嬉しくないの。
大好きだった、大好きな彼は
今は人気アイドル。
遠い遠いよ。
君がキラキラしてる笑顔と、
あたしが作った笑顔じゃ比べものにならないね。
でもね。
諦められないの。
だからね。
最低なあたしは、
こっそり君に近づくことにしたんだ。
