隣の窓には

「お前の顔ヤベェな……」
「キモい……」
と二人がまるで変人を見たように顔が歪んでいた。
「殴られたい……？」
ニッコリ笑顔で言う私を見て
「「いっ…いえ！！」」
と同時に怯えた二人が声をそろえて言った。
「……っそ。」
それを聞いた二人が安心した顔でホッと息を漏らす。


「俺ら気が合いそうだな！」
と悠。
「そうだな」
と灰原。
意味が分からんと思う私。
こんな学校生活がまだまだ続くのかと思えば、泣けてくる。
そんな事を考えていたらチャイムが鳴った。



一時間目は英語。

学級委員長の声で起立して、先生に挨拶し、座る。
このような事がいるのか？と考えながら窓の外を見る。
相変わらずのキレイな青い空。
今日は白いわたあめもフワフワ浮かんでいた。

黒板には綺麗に書かれた英文。
(こんな時間は……好きだな…)
と思いながら窓を再び見ると隣の窓に顔がうつった。
灰原だ。黒板を見る横顔は、空と同じようにすごくすごく綺麗で。それを見た私の心臓は激しく動く。

苦しい………灰原を見ることが出来ない……なんだこれ……

窓を見る。
灰原も見ていた。
バチっと目が合い、灰原が笑った。
だけど…私の心臓は限界………。

結果……無視をしました。