隣の窓には

泣きそうになったから。

泣き虫な自分に

「…俺が居てあげる。大丈夫。泣いていいよ」
そう言って自分の方へとあたしを引っ張る。

あたしは先輩の腕の中で静かに泣いた。

「携帯貸して」
先輩が言ってきたので携帯を渡す。
すると先輩の指が………
神レベルの早打ちで携帯が帰ってきた。

満足そうな顔で
「はい!でーきた!!僕のメアド、入ってるから」

電話帳には『佐々木碧』の名前が。

「なんかあったら連絡して!!スーパーマンみたいにすぐに行くからね!!」
すごくすごく嬉しかった。
一人じゃない。先輩が居る。

「……はいっ!!」

そして先輩は手を振りながら教室へと屋上の階段を降りて行った。

(あたしも帰ろ……)

そして騒がしい仲間の居る教室へと向かって行った。