真美をだましだまし連れてきた、ライブハウス。

好きなドリンクを頼んで、適当なスペースを陣取る。

「なになに、誰のライブなのー?」

真美はこういう場所に慣れてるみたいで、いつも通りのテンションだった。

物怖じしない性格ってこういう時、本当に羨ましい。

「うーんと、見てからのお楽しみってことで」

なんか、説明をしないって相当苦しい。

でも、真美はなにかを察してくれたのか、ふーん、と言いながら別の話題を振ってくれた。


2人で話しているうちに、私もだんだんライブハウス独特の雰囲気に慣れてきた。

ちょっと薄暗くて、もやがかかった空気感だったり、自分より歳下の子、明らかに年上の人が女性に偏って多かったり。


そんな非日常空間を楽しめるようになってきた。