僕らのルール

・・・ふぅ。
無事、席を確保してコーヒーを一口飲む。

「あれ?松本?」
声がしたほうを見ると、店員さんのエプロンをつけた斉藤くんが店内にいる。というか、歩きながら近寄ってくる。

「斉藤くん・・・もしかしてここでバイトしてるの?」
「そうだよ、掛け持ちだけど。やばー松本に大学以外で会えるの新鮮。嬉しい。これってもう運命じゃない?そんな露骨に嫌そうな顔しなくてよくない?」

でた、斉藤くんの反応に困る冗談。
「バイト中ならお仕事に集中してくださーい」
とりあえず、いつも通り受け流すことにする。

「いいじゃん、今暇だし。ここのスタッフさん皆仲良しだから油売っててもあんまり気にしないから」
「え・・・そういう問題じゃないんだけど。それに、私、人待ってるから困る」

なんか、かずくんと鉢合わせになったらいろいろややこしくなりそうだし。
せっかく、真美の追及を避けられたのに、斉藤くんにからまれたら面倒だなあ。