「お父さん…何言ってるの？」
私が晴樹さんと
「そうですよ！婚約だなんて葵ちゃんには まだ早すぎる…」
晴樹さんは、お姉ちゃんがいいんでしょう？ 本当は 私なんかと結婚したくない
「葵ちゃんだってこんな急に嫌だよね」
嫌じゃない。ずっと大好きだった晴樹さんと結婚できるならお姉ちゃんの代わりでもいい
でも、伝えられない
「晴樹さんは、嫌ですか？」
こんなのズルい。でも どうしても聞いておきたかった
「こんなの葵ちゃんの為にならない」
「晴樹さんは どう思ってるの？」
お姉ちゃんじゃなきゃだめだとこの場で言ってしまえばいい。
そしたら、お父さんも諦めてくれる
「僕は 葵ちゃんの気持ち次第だよ」
なにそれ
そうやって全部私に任せる
本当は 嫌なくせに…
「葵、どうするんだ？」
「…結婚します」
私は そんな優しくなんてない
欲しいものは ほしい
晴樹さんは目を丸くして驚いていた
