今日もバイトかぁ...

憂鬱になりながらも、バイト先の事務所へと足を運ぶ。
バイトを初めて、まだ三ヶ月。慣れないこともたくさんあって、知らないマッククルーもたくさんいる。

事務所について、マネージャーさんが一人の男の子について話していた。

「洸稀はいつくんねん?」
「んー、あいつ、もうこーへんのちゃう?」

こう...き?

話によると、あたしと同じ年で、高校は夜間に通ってるそうだ。
しかも、地元とかなり近い。
バイトしてるが、サボってばかりで、今はもうまったく来ていないとのこと。

洸稀の印象がただの不良としか頭になかった。

ある日、バイト終わりに、同い年のあつきに声をかけられた。
「一緒にかえらへん?」
少し喋ったことはあるけど...
でも今日は先輩いなくて、帰り一人だったので一緒に帰ることにした。

しばらく自転車を漕いで、近くの川の橋の下まできた。
そこには、あつきの友達という人が三人いた。
「誰?」
「あぁ、俺の友達。近くの夜間に行ってる奴らやで。」
「夜間...?」
その時頭に浮かんだのは...

洸稀。
夜間...こう...き?

自転車を橋の下に置いて、あたしはあつきと、友達三人と喋った。

友達は、早瀬君、しょうやくん、そして............
洸稀だった。



それが、あたしと洸稀の出会いだった。