美味しそうなクレープを手に持ち、新山の方へ向かった。
3メートルほど近くに来たら、新山が私の存在に気づいた。
「お、ブス。この俺を寒空に待たせやがって。」
新山はやっぱり手をさすっていた。
遠くからだったから気がつかなかったが、手のさきが赤かった。
「よく言うよ。この寒空の中、表出ろと言っていたのはどこの何奴でしたっけぇ?」
「それは、俺のことを示しているのか?」
おい、そこの新山李桜。顔にそれは俺じゃないと書いてあるぞ。
犯人はお前だよ。
と言おうと思ったが、めんどくさかったので、心の中に閉まっておいた。
