「ねぇ、橘くん。」 「なに?」 「みんな、橘くんとしか呼ばないよね?」 「…それがどしたの?」 「いや、それだったらみんな橘くんの名前忘れちゃうから、 あたしがゆうきくんって呼ぶね!」 「……はっ?」 そう、決めたの。 みんなが憂生って忘れても、あたしがゆうきくんって呼べば忘れない。 あたしだけが、ゆうきくんを忘れないんだから。 橘くんは今日からあたしの中で、ゆうきくんとなった。