それから半年くらいすぎて、あたしは偶然橘くんの隣の席になったの。 それで気づいたんだ。 橘くんは人気者なの。 休憩時間になると、橘くんの友達が周りにたくさん寄って来てて。 それで、みんなそろって呼ぶんだ。 「よう、橘。なにしてんだよ。」 「橘、宿題見せてくんない?」 橘、橘、橘…‼ みんな、誰も"憂生"って呼ばないんだ。