今は日暮れ時、村人達は仕事を終えて家路につく。

そんなありきたりな光景とは少し異なったことが、ある家の前で起きていた。


「あんたの親父がやったってことはわかってるんだ!!」

喧しく叫ぶ女性。

「隠したって良いことないよ!!」

「…本当に知らないんです。父はずっと家に帰ってきてません」

泣きそうな声で答える一人の少女。

「私の娘がどれだけ恐い思いをしたか!!あんた、親父の代わりに責任とれるんかい!?」

少女の家の前で言いたい放題言っては怒りを吐き出す大人達。

「…すみません。本当に、すみません」

可哀相なほど頭を下げる少女に彼らは冷ややかに告げた。

「今度来た時あんたの親父を引き渡さなかったら、この村から追い出してやるからね!!あんたを!!」