「そうですか。こんな狭い家で良いなら…」

「十分ですよ~!ありがとうございやす!」

「……」

白露は言葉を遮られたことにご立腹なご様子。

そんな彼に「やりやしたね!」という視線を送る千尾丸。

何はともあれ、二人は家にあがることに成功したのだった。


「私は白良(シララ)と言います」

囲炉裏を囲んで自己紹介を始める。

黒髪の愛らしい少女は白良と名乗った。

「俺は千尾丸。白良って名前、白露の旦那と似てやすね。二人とも“しら”から始まりやす」

「……下らぬ」