「嘘つき」

まるで今までの罪を呪うかのように。

「信じてたのに」

浴びせられた蔑みの言葉。
「もう私に関わらないで」
それは短剣のように鋭く、俺の心に切り傷を作る。
流れ出る血は熱を持たない。

「…ごめん」

こんなことを言っても俺の罪は許されるはずもなく、切り傷は増え、血は量を増す一方。

「謝るなら最初からこんなことしないで」

震える声で呟き、投げつけられた小さなボタン。
熱を帯びた俺のボタン。

「…まあまあ…こいつも悪気があったわけじゃ…」

俺の憎しみの種は自分が原因だとも知らず、呑気に俺たちを宥める。
笑える。馬鹿らしくて。