甘い誘惑~Sweet Refrain~

さて、行きますか!

あたしはうんと大きくうなずくと、女子トイレを後にした。

会社を出ると、まだ冬の名残を感じる冷たい風が吹いていた。

春になったとは言え、まだまだ夜は寒いなあ。

カツカツとパンプスを言わせながら近くのスタバへと足を向かわせた。

スタバにつくと、南方さんの姿を探した。

「うーん、まだいないか…」

仕方ない、南方さんも忙しいんだ。

中でカプチーノでも飲んで待っていようと思い、ドアを開いた。

「いらっしゃいませ、こんばんはー」

店員の声を聞きながら、南方さんを探しに店内を見回した。