片想い日記


ある日の授業。

先生が教室を出て行った途端、教室がざわめく。


小枝君も例外でなく、班員らに話しかけようと体制を変えた。


私は最初、三人で手の大きさを比べっこしているのを、微笑みながら傍観していた。


私が交じる話題じゃないと思ってた。


でも小枝君は2人と比べたあと、当然のようにん、と手を伸ばしてきて。


驚いた私は、咄嗟に両手を後ろ手にしまってしまう。


表情に"?"を滲ませる小枝君に冗談ぽく苦笑いを返す。


『…ほ、ほら、私汗掻いてるからっ!』


冗談にはならなかったらしい。班員たちから微妙な視線を感じる。


「汗とか、別にいいじゃん」


ねぇ?と傾げる小枝君には悪いけどここは曖昧に笑ってしまう。




これって男子と手を合わせることにも尻込みするような子に見えたかな。


あとでそう思って落ち込んで、更に小枝君と手を繋ぐチャンスだったんだと落ち込んで、


さらにはいやしいこと考えてるなと落ち込んだ。