国語の班活動。
好きに写真や絵画を選んで紹介文を書いた。フォトストーリー、というらしい。
その観賞会。班の人で回し読みする。
私が選んだのは、クロード・モネの"睡蓮"
以前美術の課題の時に見つけた、本気で惹かれた作品だった。
惹かれたからこそ、恥ずかしいくらいに言葉を尽くして絵を着飾った。
あとで読み直して、全力で後悔した。しかも時間がなかったので完結しないで終わっている。
みんなして見せたがらないので便乗して私のなんて忘れたまま終わってしまえと願っていたのだけれど。
さすがに気の遣える班の女の子がかなちゃんは?と水を向けてきたので曖昧に微笑んでスルーしてくれと暗に訴える。
が、友達の評価はもらわない訳にもいかず、とうとう小枝君に読まれてしまった。
「…これ、ほんとに惹かれたの?」
『……、うん。』
うわぁやっぱり変だったんだ。
今時の女の子が書く文じゃなかったんだよね、きっと。
…なんて自己嫌悪と羞恥に苛まれていると、
「…へぇー。さすがしゃーるん様、ずげー。」
私、苦笑。
ありがとね、小枝君。
「へー、そうなんだ!見せて見せて!」
『ひとりもらえば評価はつくし!
ほんとに、酷いから…』
流石に続いて読んでくれようとする女の子には、笑顔で強固に断った。
「やったあ、俺だけじゃん。
しゃーるん様俺だけに見せてくれた!」
突然、言い出す小枝君に、たぶん私は若干赤面してたんじゃないかと思う。

