班活動。
指示されたことなんて誰もやってなくて、雑談に花を咲かせていた。
お喋りは得意じゃなくて、普段雑談は我関せずか曖昧に流すかの私。
この班では聴き手ではあるものの、自分で驚く位に楽しく参加していた。
「ほらっ足立!」
そろそろ班活動の恒例になってきたアシカショー。
私は何度見てもこれだけは毎度ツボに入ってしまう。
『もぅ、なんか、本当のアシカショーみたい!なんか可愛く見えてきそうだから!』
私は笑いを堪えながら、ずーっと思っていたことを暴露してしまった。
班の女の子も確かにー、と笑ってくれたのは不幸中の幸いだったと思う。
可愛い、と言ってしまったのが恥ずかしくて申し訳なくて、なんとなく小枝君のほうを見れなかった。
その日から、しばらく経って。
そろそろ飽きたのか、アシカショーを見る機会は減っていった。
でも、小枝君はまだ、ふと思い出したようにやって私を笑わせる。
そんな時は、ほとんど私が話に乗り気じゃない時、笑顔を消した時で、
そんな時は、必ず肩を震わす私の顔をいちいち確認する。
笑ってるな、って。
駄目だよ、小枝君。
そうやって優しいの、わかっちゃうから。
ほんとはすごく気遣ってくれてるって。
駄目、なんだよ小枝君。

