海辺の元で

夜空には、無数の星があった。

パーティーの片付けを終えて、店を閉めた。

残った私、父、母、純平はゆっくり帰った。

「純平君は、荷づくりしたのか?」

「はい、だいたいは出来てます。」

「寂しくなるなぁ〜明日から…」
父がぼやいた。

「なに言ってるんですかぁ〜!無さ苦しい男一人いなくなってせいせいしてるでしょ?」
笑いながら言った。

「はっはっはっ!まぁな!」
二人は、肩を組み大笑いをした。

そんな二人を、後ろで女二人、笑いを堪えていた。

「ふふふ」

「お父さん、気分良さそう♪♪♪」
お母さんが吹き出しながら言った。

「今年は特にね〜!」

毎年、夏休み終わりの打ち上げは、酔っぱらう父。

だけど、今年は、ベロンベロンで足元がフラついている。

純平が父を介抱している。
この日ばかりは、おおめに見よう。

「純平君、今年こそは、受かるんだぞぉ〜!約束だぞ〜!絶対だぞぉ〜!」
声を張り上げて言ってい る。

「ちょっと、お父さん、ご近所に迷惑でしょ!静かに!!」
私が言った。

「大丈夫〜♪大丈夫!!あれだな、雪乃は、いつからそんなに恐くなったんだぁ??」
笑いながらいっている父。
「はぁ〜ダメだ。こりゃあ」

「本当、おじさんの言う通りです!恐いなぁ〜♪」
純平が悪ノリしてきた。

「なんですってぇえ〜?」睨んだ。

「げっ、おじさん、逃げましょ!ヤバイですよ!」
純平は、父を抱え込むようにして、二人逃げた。

「こら〜!まったく!」
私は、追い掛けてやめた。
「やってらんない!無駄無駄!ふんっ!」
怒りをあらわにした。

ちょっと遠くで、純平が、またシメシメって顔をしていた。