「そうですか......」
なんか、変な感じがしたけど、気のせいかな.......
前もこんなことあったような........
潤平さんは、自分の頭をくしゃくしゃっとした。
「あのさ、くるみちゃん」
「はい」
「えっと.......
まぁ、ここ座んなよ」
潤平さんがいつも凪くんが座っているところを指差した。
「はい」
私は少し頭を下げてから、ベンチに座った。
潤平さんの後ろのベンチには、4人の高校生の男女が、楽しそうに話している、
笑吉屋の中にも、今日は高校生がたくさんいて賑やかだ。
そんな中、私と潤平さんの間には、
沈黙が走っている。
しばらく黙っていた、潤平さんが「まだ、いいか.....」とつぶやいてから、
顔を上げた。
「あのさ、くるみちゃん」
「はい」
「俺ら3年はさ、明日から自由登校って言って、
もう卒業式まであんま学校来ないんだよ」
そうなんだ........
潤平さんは、一度自分に頷いてからまた話し続けた。
「凪のこと、頼むな」
潤平さんは、真剣な眼差しでそう言った。
「凪って、いつもへらへら笑っているけど、
あいつ........
本当は、いろんな物抱え込んでる奴だから。
くるみちゃんが、支えてやってよ。
O高校受験するんだって?」
「えっ?あ、はい」
「凪と同じ高校入れば、きっと凪が何も言わなくても
気づくと思う。
でも今は、くるみちゃん受験前だから........
とにかく、凪を頼むよ。
俺、もう卒業しちゃうからさ」