「そうだ」



凪くんは、頬杖をやめて椅子の背に掛けたリュックを膝にのせ、


中から赤い袋を取り出した。




「はい」



片手で目の前に差し出されて、「えっ」と椅子の背に背中をつけて下がった。




「ん」


さらにぐっと袋を突きつけられて、そっと両手で袋を掴んだ。



「なに?」



「なにじゃねーよ。クリスマスプレゼントだよ」


ははっと笑いながらリュックをまた椅子に掛けた。



「そんな......私、用意してないから受け取れないよ」


両手で掴んだ袋を、今度は凪くんに突き返した。



「だから、いつもくるみはさー



素直に受け取れって。


くるみはいいんだよ、そんな用意しなくて」



そんな.......





「俺が勝手にくるみにあげたかっただけなんだから。


ほら、受け取れ」




私の両手から袋を取って、また私に差し出してきた。




いいのかな.......




「ありがとう」


そっと受け取ると凪くんは、


「よし、それでいい」って、


優しく微笑みながら頬杖をついた。





「開けてみ」




私は頷いて、袋のリボンを外して中を覗き、


中に手を入れ、中身を掴むと、


ふわふわとした感触を指先に感じながら、外に取り出した。




「手袋......」




白くて、指先を被せるタイプの手袋



早速手にはめてみると、


手の甲のバスケットボタンがコロンとしていてかわいいと思った。





「かわいい......ありがとう、凪くん」




両手を広げて凪くんに見せると、凪くんが私の指を掴んだ。



「俺と手を繋ぐ時は、ここ留めておけよ」


そう言って、ボタンを指差した。



「どうして?」



「どうしても」



あはははっと笑って私から手を離した。



「う、うん、わかった」



言葉の意味がよくわからないけど、とりあえず頷いて、


また両手を開いて手袋を眺めた。




「あと、これ」