まさか凪くんからそんな言葉が出てくるとは思ってもみなかったから、びっくりしてしまった。

でも、

すごく嬉しかった。


いつも勉強頑張れってすぐ帰っちゃうし、


帰り以外、会おうとしてくれなかったから。


私ばっかり、凪くんが好きで、

私ばっかり、凪くんと一緒にいたいって思っているのかと思っていたから。



だから、冬休みも絶対に会えないって思ってた。




「会ってくれるの?」



手を繋いだまま凪くんを見上げると、凪くんはかわいく目細めた。



「俺が会いたいんだよ」



凪くん.......



凪くんは私の頬を優しく撫でた。



「いい?」



少し首を傾げて聞いてきた凪くんに、きゅんとしてしまった。


だって、前髪の少しかかった眼差しがすごく優しかったから。






「うん」


私が大きく頷くと、凪くんはふっと吹き出して笑った。



「明日、塾は何時?」



「塾は.....明日は6時半には終わる」


「そっか。塾は駅に近かったよな?」



「うん」



「場所教えて」



えっ.......


凪くんに塾の場所を教えると、



「わかった。6時半には塾の前で待ってるよ」って、


頬から手を離して、橋を渡り始めた。