蒸し暑い体育館で始業式を終え、
教室で明日の確認テストのことで担任に脅され、
放課後となった。
教室に残り、茜とテスト内容を少し話して、
教室を出た。
「くるみは、隣のO高校でしょ?」
階段を下りながら茜が聞いてきた。
「うん。うちはほら、電車通学とかはできないからさ」
「そっか。くるみは偉いね」
下駄箱に着き、靴を履きかえると、
玄関前のロータリーに出た。
蝉の声を聞きながらロータリーを通り、
校門の手前で茜が立ち止まった。
「やっぱ高校生がたまってるね......
怖いな......」
校門の手前から、笑吉屋を見ると、
ベンチが高校生でうまっていた。
「確かに......」
自販機前、右側の2つのベンチには男子4人が向き合って座っていて、
左側2つのベンチには、男女4人。
「塾の隣の店で買う?」
茜に聞くと、茜は口を尖らせて「う~ん」と考え込んだ。
「この前塾の隣りの店見たら、あんまいいのなかったんだよな......
やっぱワラキチで見てみる。
くるみも一緒に来て」
茜は私の腕を掴んで、意を決したように、
笑吉屋へとずんずん歩いた。